1年レースで戦った安心オートマ、分解しても大丈夫!

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あんなに無茶してサーキット走ってきたのに、安心オートマは予想以上にダメージが無く驚きました。
文中でも書きましたが、4W35などの柔らかすぎるオイルテストにもしっかりと応えてくれたと思います。
今回オーバーホール後の第2ステージは、油温の安定を実現して、筑波でのSBoMのインジェクションクラスに全戦参加で、より過激なステージでの安心オートマテストにチャレンジです。

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2014年1月から運動会に参戦始めたワークスAT。
95年式 1.3iタータン オートマ 走行129,000Km。

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2014年7月 安心オートマに交換。

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国産摩擦材のブレーキバンド クラッチ板に交換、シール、Oリングも国産品。
エンジン側も親子メタル交換で、安心オートマの標準セットでオーバーホール。

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ハイカムは、インジェクション + オートマ でも使えるマイルドなSW5。
これにマニュアルクーパー用ピストン というのが主な仕様。

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そして、ワークスATは 『壊れない安心オートマ』 の看板を背負って
本庄サーキット、筑波サーキット、富士スピードウェイ、袖ヶ浦フォレストレースウェイと、
サーキットの全開走行を毎月のように繰り返し、オートマのハードテストを行ないました。

走行距離は約9,000km。
全開走行しました。
今後の安心オートマの製品力を上げていくために、走る実験室のワークスATを分解点検することにします。

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分解点検開始

エンジンが降りて、
ここからオートマとエンジンの分解点検の報告です。

いつものように、舞台は九州佐賀の岩崎自動車さんです。

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では、診察台に乗っかり チェック開始。

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デスビのシャフトからオイル。
2015年6月の本庄サーキットでの運動会でもブローバイパイプの詰まりでタペットカバーからもオイル吹いたことがありました。

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その時レベルゲージからも吹いたようです。
その後、8月の32Fes対策でブローバイはワンウェイバルブで大気解放にして連続高回転でも内圧が上がりすぎないように対策しました。
大気開放への変更は内圧対策というより吸気温対策ですけど・・・。

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分解前にもう一度オイルを切ります。
ワークスATはドレンボルトの穴を利用してオイルクーラーへオイルを取り出してるのでドレンボルトがありません。
しかし、1次摩耗の状況を知るうえでドレンボルトに付く摩耗粉は重要なので、今後取り出し口を変更しようと思ってます。

サーボピストン

いよいよオートマ点検です。
フロントパネルを開けてサーボピストンの動き幅チェック。

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まず、リバースバンドは

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組み込み時とほぼ同じ約5mmのままです。

3速バンドは、

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ここも組み込み時とほぼ同じ約1mmのまま。

2速バンドも・・・

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約1mmで、消耗の兆候は全くありません。
早く、分解してブレーキバンドを見たいな。

チェーンテンショナー

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9,000kmだからこんなもんね。
もちろん再使用します。

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手前から、リバースバンド、3速バンド、2速バンドです。
摩擦材は全く剥がれたようすはありません。

ほとんどがサーキット走行のワークスATは、
アクセル全開のまま、マニュアルシフトで 1速→2速→3速 とシフトアップ。

シフトダウンはアクセルを一瞬あおって回転を合わせながらですが、
高回転で 4速→3速→2速 とかなり激しいシフティングをしてきたので
正直もう少し減ってるかと心配してましたが、
2、3速バンドはようやく全面当たりが出てきたところって感じです。

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リバースバンドは、表面の文字がまだ読めるほどですからほとんど消耗してないです。
まぁ、いくらなんでもバックで全開走行はしてませんから。(笑)

ワークスATの使い方でこの消耗ですから、
キチッと油圧が掛かってしっかり締め付けてる限り、
10万キロ以上は楽勝に使えるブレーキバンドです。

☆このブレーキバンドの摩擦材はソフトとハードと2種類ありますが、キャメルの安心オートマはすべてハードタイプをチョイスしています。

ギヤドラム

ギヤドラムが取り出されました。

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2速バンドで締め付けられた2速ドラムにわずかなスジがみられましたが、問題なく再使用できるレベルでした。
サーキットでは3速よりも2速へのシフトダウンの方がどうしてもハードになってしまう。
というのと、次のようにオイルの使い方で限界に挑戦したのも、わずかなスジが入った原因かもしれません。

ワークスATはオイルによる違いもテスト項目にあったのでいろいろなオイルを試させられました。

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特に、2014年秋~2015年春にかけては、
寒い朝でも流動性を確保できるストリート用の低粘度のオイルを使ってみましたが、
冒頭にも書いたように、2月の寒い時期でも120℃、5月には140℃まで上がってしまう油温にはやや力不足なところはあったかもしれません・・。

使用したオイル粘度
5W40 → 8W40 → 4W35 → 4W35 → 8W40 → 20W40を2回 → 5W40 →(夏)15W50→トリプルR 15W50

真夏のFISCO(富士スピードウェイ)での32Fesと袖ヶ浦のTBCC(Tokyo Bayside Classic Cup)は WAKO’Sのレーシングオイル トリプルR 15W50を使用しましたが、コンバーターのレスポンスも含めて最高のフィーリングでした。やっぱりレーシングオイルは伊達じゃないな。。。(笑)

フリクションプレート

フォワードクラッチのフリクションプレートです。

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ちょうど一皮剥けた感じです。
新品2.83mm → 2.76mm。

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当然、溝は充分あります。

トップ&リバースクラッチのフリクションプレートも同様です。

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新品2.83mm → 2.79mm。
交換の必要はありませんが、せっかく分解したのですべて交換しちゃいます。

3速ドラムのブッシュ点検

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2/100mm内径が広くなっていました。
3速のブレーキバンドに締め付けられる時、偏芯する方向に強く引っ張られるので、強い油膜が必要になる部分です。
オートマ車の排油分析の際、検出される摩耗金属のうち銅が多いのは、これらギヤドラムのブッシュからでしょう。

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ブッシュは打ち替えしました。

ベベルギヤ

シフトアップよりもシフトダウンで衝撃を受けるギヤ。
特に心配してたのはべベルギヤの剥離でしたが・・・・・

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ここは完全分解しないと検査できません。

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ダメージはまったくなく問題なく再使用OKでした。
ただし、強烈なシフトダウンはかなりの力が掛かるのでブレーキングしながら、アクセルを煽って回転を合わせてあげたことが有効だったと思います。

安心オートマは、完全分解でべベルギヤを点検して問題ないのを確認して出荷していますが、
その後の使用によって起こるべベルギヤ剥離については、初期不良の3ヶ月間保証となります。
強いシフトダウンや回転が上がった状態でギヤを入れるような行為は剥離のリスクを伴いますのでご注意ください。

ストレーナー・デフサイド

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ストレーナーにもほとんど異物はありません。

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デフサイドのブロンズもなく綺麗でした。

エンジン側のメタルチェック

次はエンジン側のメタルチェック&交換です。

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親子メタルのキャップ側

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メタルの曇って見える部分は新品メタルの肌です。
光ってるところは当たりが出てきた部分です。
特に摩耗金属によるスジもなく正常摩耗です。

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1番エンジンブロック側のクランクメタルの部分はやや光りが多かったです。
オートマ車の特徴的な減り方です。
今回のオーバーホールでハーモニックバランサー取付けるので、
高周波振動が減ってメタルへの攻撃も格段に減ると思います。

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親子メタル交換は安心オートマのお約束。

ピストンシール

そして次のピストンシールは、安心オートマの専用オリジナルパーツです。
左3個がサーボピストンシール。
右の大きいのがフォワードピストンシール。28fd609a

サーボピストンシールは左からリバース用、3速、2速です。
油圧を受け止めて、しっかりブレーキバンドを締めつける為には妥協できないシールです。
変速ショックを和らげるために、リバースと3速バンドはシフティング前に回転を合わせる仕事を担ってます。
しかも、ワークスATのようにアクセル全開で2速→3速へのシフトアップする使い方へも対応できるように。(笑)
特に3速のサーボピストンシールは改善されています。

実車テスト

完成した安心オートマ。

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ワークスATのエンジンと合体して

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回りのパーツが取り付けれらて仕上げです。

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タイミングチェーンはダブル。

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そのチェーンがあたらないように突起を削って加工してもらってます。

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補機まで取り付けて、いつものように実車テスト。

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工場内で実際にエンジンをかけ、オートマのシフティングして油圧チェックしてから、実際に走行しての変速テスト。

油圧テスト

そして、戻ってきてからの最終チェックが温間での油圧検査。

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前進油圧 6.8kg

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バック油圧 10.6kg。
OKです。

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前回以上にイイ安心オートマができました。
走るオートマ実験室として第2ステージもガンガン行きますよー。

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キャメルオートの安心オートマ 保証は3年間3万キロですが、これは業界一の驚異的な長期保証です。
皆様が普通にお使いになることを考えれば、10万キロ以上の使用に耐えうる品質であると思います。